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「別の意味で気になる」ということで、ジーンズ・ブームに火をつけたジェームス・ディーンの『理由なき反抗 特別版』を挙げられてますが…。 これは“特別版”ってとこですか? |
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山田 |
“特別版”って何がどう特別なの? “リー”じゃなくて“リーバイス”履いてんのかな? “特別版”はジーンズの静止画ばっかり集めてるんじゃない、「ホントはどっちなの?」って…(笑)。 もしかしたら“ラングラー”かもしれない(笑)。※2
でも、(オリジナルの)タイトルはホントに素晴らしいよね。今、ラジオ番組の企画で、みうらじゅんが高校・大学時代に作った400曲を全部聴かされててさ…(苦笑)。 俺たち、全共闘世代の後じゃない? 当時は、そんなプロテストソングみたいなもの聴いて、「何かに反抗しなきゃいけない」と思ってたんだけど、俺たちの世代って反抗することないんだよ(苦笑)!
この『理由なき反抗』の主人公も、何不自由ない中産階級でさ、本来、何の不満もないわけ。でも、その「何の不満もない」ことがいちばんの不満なの。 |
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まさしく「理由なき」ですね(笑)。 |
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山田 |
何か反抗するわかりやすい理由が欲しいわけだよ。だから、横暴な教師なんかいると大喜びで(笑)。 |
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伝説つながり(?)の『ジミ・ヘンドリックス』、『ヴィトゲンシュタイン』は、この作品自体は観てないからこそ気になる、と…。 |
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山田 |
『ジミ・ヘンドリックス』、ね(笑)。どんな内容なのよ、と(笑)。
ジミヘンは好きなんだけど、期待して観ると、「あ〜あ…」って思うことが多いんだよね… ミュージシャンものって。
プリンスの『パープル・レイン』と抱き合わせにしていいかな? 「しまった!」と思ったら、そこから『パープル・レイン』に移る(笑)。※3
『ヴィトゲンシュタイン』は、「何だろう?」と思った最たるモノ。ヴィトゲンシュタインは、俺、好きなんだけど、何故、ヴィトゲンシュタインが映画になってんだ、と(笑)。 70年代の終り頃は、ヴィトゲンシュタインって、一部の学生の間ではオシャレなものだったんだよね。 |
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これ知ってればモテたってことですか? |
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山田 |
モテはしないね。それが、今のオシャレと違うとこ。
モテたくてやってるわけじゃないんだよ。仲間内の流行りだね。でも、今にして思うと、スゴく狭い仲間だったみたい(笑)。
当時、『ユリイカ』とか思想系の雑誌を愛読しててさ、後で発行部数知って愕然としたもん(笑)! 俺、日本中の高校生が読んでると思ってたんだよ(苦笑)。 『高1コース』より、もっとたくさん出てると思ってた。 |